2011年08月12日

詩集・花がたりV 花の寺 「嵯峨京子」

花の寺

ならべられた写真は
すべて
わかいおとこ
よりそう花嫁
たちこめる香の煙
若くして逝った息子へ
せめてこのねがい
かなえたまえと
おさめおく花嫁人形は
逆縁にそなえる花
こころをこめ
つくりあげたひとがた
白無垢をきせ
紅をさせば
入魂のしるし
儀式の前の儀式

花は無口だから美しい
ふきこむいのちは
母のなかの女ののおもい
ものいわぬ花嫁の
くちもとなまめいて
ほほがいろづく
似るおもざし

これぞとこしえに
かわらぬちぎり
かなえられたねがい
むねに抱いて帰ってゆく顔
みちたりた女のもの
posted by 音の旅人 at 13:28| 大阪 ☀| Comment(0) | 詩集・花がたり「嵯峨京子」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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